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  09 ,2010

自称クリエイティブディレクターの私が、相棒のMacBookPro15inchと共に、Netや新聞、本や、映画で見聞きした、知恵を綴ってまいります。


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「殺人の記憶」を観てみる

最近映画をたくさん観ているもちろんDVDでだ。

映画館に行くお金が無いので、どうしてもそうなる。

なんたって、近くのレンタルショップに行くと、旧作が100円

で借りられるのだからうれしくてしようがない。

車で行って、借りて、そのまま車の中で観て、返している。

手っ取り早いのでいい。

そんな時もMacは大活躍だ。

さて、この間「殺人の追憶」という韓国映画を観た。

猟奇殺人に翻弄される刑事達の話だ。

とてもおもしろかったな。

とても評判になった映画だから、ちょっとググれば山のような

それも、凄く難しい評論が出てくる。

人の見方はいろいろだなと改めて感じさせられた。

まあ、僕は決してかっこいい評論謎書けないから、

とりあえず感じたことを書いてみたい。

ファーストシーンが良いな。

田んぼの中で、子供がバッタを捕まえるところから

俯瞰して走る子供達、それから事件現場で集まる

人々。

つかみは最高。実にいいアングルでグッと見せる。

話は良くあるパターンで、次々おこる殺人事件に、

田舎の刑事と、都会の刑事がぶつかりながら、捜査していく。

田舎の刑事はとにかく喧嘩好きで、腕力と、体力に

任せて強引に突き進む。

冤罪なんぞ朝飯前で、田舎の警察署の相棒の刑事と、

怪しいやつを捕まえては、殴る蹴る、逆さにつるす、

殺人の様子まで完全に覚えさせて、偽の自供テープ

を作る。

なんの罪悪感も無し。だけど、笑えるんだなコレが。

都会から二枚目の刑事はそんな捜査を横目で見ながら、

状況のいろんな糸口を掴み、様々な人の話を聞き、

客観的に捜査を進めている。

口癖が「数字は嘘をつかない」

若い女性の強姦殺人という陰惨な事件を扱いつつ、

本当にこの映画の前半は喜劇のエッセンスが練り込まれ、

唸らせる。

しかしだ、この映画のもっと唸らせるところは、後半、

犯人の糸口が見つかり、捜査が犯人の足跡を迫っている

ところ。

しかし、今ひとつ迫りつつも、目撃者の知恵遅れの青年の

死亡や、捜査の手の遅さ、等々不具合が重なり、

どんどん刑事達の顔が、深刻に、真剣に変わっていく。

そして、最重要容疑者がやっと現れ、徹底的に追い詰めていく。

もちろん彼が犯人かどうかは分からない、しかし、刑事も、

観ている僕たちも、こいつこそ犯人だと意味不明な確信に

とらわれ、息もつかせぬほどの緊迫感で進んで行く。

が、証拠がない。

もどかしさが全ての心をねじ曲げる。

そして、最後の悲劇が起きる。

都会の刑事が、居眠りをほんの少ししていた瞬間。

容疑者はバスに乗って消えていく。家にも帰っていない。

空白の時間、彼はどこでなにをしているのか?

その時間に合わせるように、女子学生が殺された。

呆然とする都会の刑事。それを、なすすべもなく見守る田舎の刑事。

初めは理性的な表情が全てだった都会の刑事が、暴力的な

表情を、理性的な皮膚の突き破り、表す。

容疑者を部屋から引きずり出し、線路の上で、殴り、自白させようとする。

その時、最後の頼みの綱のDNA検査の郵便を田舎の刑事が慌てて

持ってくる。彼こそが犯人か!?が........。

てなことで不思議な余韻を残しつつ終わる。

あと、数年後が描かれているのだけど、そこがすごかった。

田舎の刑事はサラリーマンになって、見違えるようなマンションに住み。

ろくに子供にも説教できない、おっさんになっている。

車に乗って今日も営業に出ているのだけど、偶然か昔の事件現場に

立ち寄る。田んぼの用水路の中に座り込んで、

死体があった場所をのぞき込む。

その時、少女が声をかける。

昔ここでちょっとあってと答える。

その時少女は首をかしげて、この間も同じことを言ったおじさんが

いたという。

「昔こころやったことを思い出している」

その時、田舎の刑事の顔に戻る。

しかし思うのだけど、韓国映画のすごみというのは、喜怒哀楽が複雑に

絡み合いながら、凄い人の情を表す。

この描き方は情の厚い韓国人らしいなと感心する。

面白かった。


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テーマ : 映画    ジャンル : 映画